芸術分野への関心が高く、アーティスト支援を行う傍ら、ナオライのマーケティング
コーディネーターを担当する小川さん。「風船けいこ」のニックネームを持つ彼女は、関心のあるテーマを追求するためなら、国内外を問わずに飛び回る、とてもアグレッシブな女性です。そんな探究心と好奇心に溢れた小川さんから、ひじき漁体験のため、三角島に2週間滞在した時のお話を伺いました!

「人口約30名の島」というワードに興味を持ちました

MIKADO LEMONの開発に向けたクラウドファンディングのページを見て、2014年にナオライ代表の三宅さんを知りました。「瀬戸内海に浮かぶ人口30名(*1)の島」というワードに興味を惹かれ、クラウドファンディングを支援。また、同時期に大学時代の先輩が広島へ移住したこともあり、実際に三角島へ訪問することを決めました。

初めて三角島に訪問した時は夏だったので、海水浴とBBQを楽しみました!お金と時間をかけてリゾート地へ行かなくても透き通る海に囲まれながら、私たちの他に誰もいない静かな時間を過ごすことができて、とても贅沢だなと感じました。

また、東京ではお金を払ってサービスを受けることが当たり前ですが、三角島には商店一つ存在しない。そんな中、人と人との繋がりから物々交換が行われたり、新鮮な魚介類や野菜など豊かな食物が得られたことも大変印象的でした。

4度目の訪問時にはひじき漁に挑戦!

それからも何度か三角島を訪問する機会がありましたが、その中で交流があった地元の漁師さんからお誘いを受け、2017年春にひじき漁の体験で三角島を再訪しました。この時、既に4度目の来島。2週間の滞在期間中は、主にひじきを収穫しては浜辺で干す作業をしていました。

島での労働は、自然条件と常に隣り合わせ。例えば、潮の満ち引きの関係上、毎日ひじきが収穫できる時間が違います。また天候によって海が荒れている時は、漁に出られません。決められた勤務時間はなく、自然の条件に合わせて仕事をするという感覚が強かったです。

そんな中でも一番忘れられないのが、三角島で見た朝日と夕日。時に早起きし、時に漁師さんに船で連れ出してもらい見たあの風景は、印象派のクロード・モネが描いた世界に入り込んだような体験でした。

東京で生まれ育った私にとって、三角島は「沢山の宝物が詰まっている場所」

三角島には信号も商店もないし、人口も少ない。一方、海の中は豊富な海の幸に溢れていて、陸には豊かな柑橘が実り、美しい景色が広がっています。私自身、モノ・コトに溢れた東京で生まれ育ったためか、何もないことがこの島の価値に思えました。

そして、何もない環境だからこそ「自然と共存する生活」がこの島には当たり前に存在します。自然と共存すれば、物事が時間通りに進まないことが大半。でも、それが人間が本来営んできた生活サイクルなんだろうって感じたんです。東京にいると、このような時間の感覚を忘れてしまいがちですが、この時の滞在を通じて、自分は自然の一部なんだと感じることができました。

来島する度に、皆が「お帰りなさい」と言ってくれる三角島。そのことが何より嬉しいし、自分の田舎が新しくできた感覚です!

*1 2014年時点