11月11日 独身の日
「三宅青年の中国奮闘と
今明かされる浄酎誕生秘話」

三宅青年の中国での実体験と浄酎誕生の背景

11月11日は「独身の日」というのを知っていますか?

ご存知ない方も多いかもしれませんが、中国で有名な一大商戦の日です。独身を意味する数字の「1」が並ぶことから、中国では「独身の日」と呼ばれています。

もともと、独身の若者たちが集まってパーティーを開いたり、独身者が結婚相手を探す日となり、贈り物をすることも流行しました。それが、今では毎年、ネット通販各社が大規模なセールを行う一大商戦の日となっています。この日一日で4兆円の売り上げが上がるほどので、独身の日の売上拡大に向け中国に進出している日本国内のメーカーもプロモーションを大々的に実施する会社も増えています。

さて、ナオライについていうと、中国には越境ECを通じて販売を始め、本格的な販売をこれから進めていきます。

浄酎が誕生した経緯で、「右肩下がりの日本酒業界をなんとかするため中国で日本全国の日本酒を広げたい!」というナオライ 代表取締役三宅紘一郎の熱い想いは大きなきっかけの一つです。

今回は中国の独身の日に因んで、そんなナオライ 代表三宅が20代過ごした中国・上海のお話を、「三宅青年の中国奮闘と今明かされる浄酎誕生秘話」 として浄酎の開発に関するエピソードを皆さんに紹介したいと思います。

浄酎を読みながら気楽に読んでいただければ幸いです。

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(三宅青年の中国での奮闘)

広島県で生まれた三宅青年は、親族に酒蔵関係者が多かったこともあり、物心つくころにはごく自然な流れで日本酒について興味を持つようになっていました。

大学卒業と同時に中国に渡り、現地の日本酒販売会社、広告会社、ビール会社での仕事を経て、中国で日本酒を広めるための会社を親族の酒蔵と設立し日本酒を中国で広げる仕事を続けてきました。

実際に中国人に日本酒を飲んだ感想を聞いたところ返ってきた言葉は「味が薄い、水みたい」でした。味の濃い料理を好む中国人に「これはお米を贅沢に削って雑味を無くした吟醸酒です」と伝えても興味を持ってもらうのは非常に難しかったようです。

市場を知り、現地の人々にあったようなお酒を提供していく事も重要だと気づかされました。またお酒を楽しむ環境づくりも大事だと感じました。一人で飲むお酒よりも複数の友人とお酒を飲む方が楽しいですよね。お酒を通してコミュニケーションをしたほうがスムーズに進むことも多く、お酒のもつ力を強く感じました。

日本酒を中国で広めるべく、コミュニティを立ち上げコミュニティ内の中国人と日本人がSAKEで繋がるきっかけづくりに奮闘した9年でした。

日本酒を中国で広める三宅青年の奮闘ぶりはNHKの「テレビで中国語」でも紹介されました。中国語を情熱的に話し、日本酒の魅力を中国人に中国語で情熱的に話している姿は、現在の三宅につながっています。

▼NHKテレビで中国語講座に日本酒を中国で売る日本人起業家として出演した時の様子

▼上海の在上海日本国領事館で外交官の皆さんと中国のメディア関係者に日本酒をプロモーションしている時の様子。(奥右から2番目の着物姿が三宅青年です)

(中国で売られる日本酒の品質)

上海や大連、北京、香港等中国の主要都市にの高級デパートに日本の3倍以上の価格で日本酒が並びます。
しかし、知名度が低く、一部ブランド以外は売れ残ってしまいます。
高価な日本酒なのに、古く保存状態が劣悪で本来の日本酒の魅力どころではないようなものも多く見受けられました。

これまで何百年と日本で続けてきたモデルのまま日本酒を世界に輸出しても、零細酒蔵にとっては経費ばかりかさみジリ貧な状況になりえる。この状況をなんとかしなければ。

海外での日本酒販売の難しさを痛感したといいます。新鮮であることが日本酒の価値ですが、上記のような状況では本当の日本酒の魅力を伝えきれないと感じたと言います。

日本の酒蔵は各地方に1000蔵以上あり、それぞれの酒蔵がその土地その土地の特徴を出すべく切磋琢磨していますが、それをきちんと海外のお客様に伝えることができず歯がゆく思ったのもこのころです。

(浄酎の誕生)

年々縮小する日本酒業界という立場で、自分たちにしかできないことは何か考え続けました。元々は多様で豊かな日本酒文化を次世代に引き継ぐことを目的に中国でがむしゃらに日本酒を広めるべく活動をしてきました。しかしながら、中国で売られている日本酒の実情を知れば知るほど違ったアプローチの必要性を感じ、ワインやウイスキーのように長期熟成ができ、置けば置くほど価値が高まるお酒にできないか。そんなことを思っていました。

また中国での9年間の生活から、ブランドを日本でしっかり立てれば中国やアジア各地でも同じような評価を受けることを体感し、中国をはじめ世界中で勝負できるブランドをつくりたいという想いで2014年に日本に帰国し2015年にナオライ を創業し新しい酒造りの在り方を模索していました。

その中で、日本酒が劣化する理由が水分比率の高さにあるのではないかという仮説にたどりつき、水分比率を低くかつ日本酒の風味を失わない低温浄溜という技術に出会い衝撃を受けました。この技術なら、中国でずっと感じていた日本酒業界全体の課題を解決できるかもしれない。

そして、多様で豊かな日本酒文化を未来に残したい、中国やアジアや世界に輸出をしても品質が劣化しないお酒にしたい、そして世界で戦えるブランドを自分たちの手で様々な酒蔵さんと連携してつくりたい。このような想いが一つになったお酒、浄酎が誕生しました。

浄酎のネーミング、生産方法の確立、デザインの誕生、そして浄酎の酒蔵をつくるために想いある投資家の方からご支援をいただいたことなどなど浄酎が生まれる経緯についてはまた追ってご紹介させていただきます。

この浄酎は時と共に熟成し、丸みを帯びた味わいになります。また、オーク樽にいれて熟成させることで、ウイスキーのような香りと味わいが楽しめます。
世界中の人が浄酎の盃をかわし、笑顔になることで、多様な日本酒文化が未来へ引き継いでいきたいと考えて、これからも浄酎を広めていきたいです。

追伸: 11月11日の中国の独身の日と合わせて三宅青年の中国でのエピソードをご紹介させていただきました。本文にもありますように中国から帰国した三宅青年はその後、2015年ナオライ を立ち上げ、会社設立から約6年が経つ昨年2020年9月にめでたく交際を続けていたパートナーの方と結婚をすることになりました。今は夫婦でナオライ の本社がある久比、三角島の古い家を手づくりでリノベーションするオフグリッドな家づくりに燃えているようです。30代三宅の結婚生活&家造り奮闘記もいつか、、、ご一読ありがとうございました。

執筆: 野口 聡
編集:ナオライ 広報PR担当 安田遥