定年退職後、Uターンで久比へ戻って以来、ずっと関心を持ち続けてきたという無農薬栽培に従事している梶岡さん。ナオライが三角島で行うレモン栽培をサポートしながら、地域を共に盛り上げようといつも一番近くで伴走してくれる存在です。今回は、常に未来を見据えている梶岡さんの想いに迫りました。

三角島の畑を元気にすることが、自分のミッションだと感じました

2016年に小林さんの紹介で、ナオライと出会いました。
私は定年退職後、農薬や化学肥料を使用しない柑橘栽培を始めたのですが、ナオライから同じやり方でレモン栽培をしたいとお話を受けました。同時に、事業を通じて久比・三角島地域に貢献したいと聞き「地域を元気にしたい」という私自身の想いと重なるなと感じて。

しかし、三角島にある畑へ行ってみると、当時のレモンの樹木には元気がなかった。その時、これまでの経験を活かして、この畑を生き返らせることが自分のミッションだと感じたんですね。以来、三角島でのレモン栽培には、全面的に協力させてもらっています。

「怠け者農法」でみんなに優しい農業を

私の畑で栽培している柑橘は、一切農薬を使用していません。理由はシンプルで、農薬散布をする環境に居たくないから。自分の嫌なことはやる必要はないし、その方が食べる側も安心できると思うんですね。

私たち人間の役割は、必要以上に手を加えず、レモンが自らの力で育つためのサポートに徹することのみであるとも思います(これを私は「怠け者農法」と呼んでいます)。

人間は自然の一部ですから。自然のバランスを活かした農業が、もっと世に広がれば良いなと思うんですね。

同時に、元々畑を遊び場にしたいという想いがありました。でも、なかなか実現することが難しくて。私の世代は皆高齢であるため、活動的ではなく、人が集まらないんですよね。だから、先日私の柑橘畑で催したユーフォニアムのコンサートは、とても印象に残るものとなりました。

老若男女を問わず、多くの人が畑に集い、ユニファームの演奏会を楽しんだ

久比・三角島で生活する人が増えていけば

私もメンバーの一員である「久比盛り上げ隊」では、SNSを通じて久比・三角島にまつわる情報発信をしています。久比盛り上げ隊のゴールは、次世代の人たちが生活できる地域をつくること。この地の魅力を知ってもらい、足を運んでもらい、最終的には生活を営む若者が増えて欲しいという想いが強くありますね。

そのためには、この地に持続可能なビジネスモデルが確立されることが必要ですよね。例えば、高齢化に伴い増えていく放棄園や空き家も、活用の仕方次第で、様々な可能性に変えることができると思うんです。

現在久比にある古民家を改装し、農泊の拠点とするための準備を進めている

今のままだと、地域はなるようにしかなりません。それをナオライ始め、若い人たちの発想や知恵と工夫で少しでも元気な状態にして欲しいですし、それがまさに「地域を醸す」ということだと思うんです。

元々お節介やお世話を焼きたくなる性分だからでしょうか、ボランティアすることを定年後のミッションに掲げていました。ナオライの場合も、自分のできるサポートを無理のない範囲で行うことで、最終的に地域が元気になることに繋げてもらえればと思っています。